ラップ処理とは
鏡面ショットマシン 東洋研磨材工業 SMAP Ⅱ型
ラップ処理とは、一般的には砥粒で金属などの表面を研磨する加工のことを指しますが、ソリッドツールで行うラップ処理では、ダイヤモンドの粉で刃物のフルート部(切り屑が通る溝)を滑らかにします。ドリルによる穴あけ加工では切り屑の排出性を高め、切り粉詰まりによるステップ加工(刃物を何度も上下させて切り粉を排出する方法)をする必要がなくなるので、加工時間を短縮することができます。さらに、切り粉詰まりによる工具破損の危険性を回避することが可能です。
コーティング処理前でもコーティング処理後でもラップ処理することが可能です。
ラップ処理の用途
- ドリル・エンドミル・リーマなどの超硬工具の研磨加工
- コーティングの効果を上げるためのコーティング前の研磨加工
- コーティング処理後に面粗度を上げるための研磨加工
ラップ処理の事例
大手農機具メーカーにおいて、ラップ処理をすることで、切り粉がスムーズに排出されるようになり、切り粉詰まりによる刃物(ねじれバニシングドリル)の破損がなくなりました。今までは100台の加工(800穴)で刃物が折れていたが、250台加工(2000穴)しても折れなくなりました。
使用工具・加工内容:ドリル(FC250(鋳物)、φ7、深さ10D)加工